債権回収の問題が起こってしまう理由とは?

契約書 債権回収

今回からインタビュー形式で、法律に関する皆様の素朴な疑問にお答えする記事を発信していきます。

相手の会社が倒産状態で、社長も一文無しになっている場合の債権回収って可能なの?

非常に難しいケースですね。オフィスに行っても誰もいない。社長の居場所もわからないし、連絡をとれない。こうした状況での債権回収は、「私ども(弁護士)が動けば動くほど、赤字が増えるかもしれません」としっかりお伝えした上でご依頼を受けることがあります。ただ、非常に難しいケースとはいっても、全くの無意味という訳ではありません。

例えば、今すぐには回収の見込みが立たなくても”時効の中断”という時効消滅を食い止める手続きを行っておくことは大切です。なぜなら、何も手続きをしないと債権は1年~5年あるいは10年で消滅してしまいます。しかし、判決を得ていれば更に10年間時効を延ばすことができます。つまり、「今」の時点で債権回収ができなくても、「10年後」に債権を回収できるかもしれないということです。会社が持ち直しているかもしれないし、あるいは社長が別の事業で再起しているかもしれない。そうした事例は沢山あります。長い目で機会をうかがうのも一つの手です。

債務者がお金を払えるにも関わらず、債権回収の問題が起きることはある?

もちろん、あります。ただ、発注をしておきながら支払う気がそもそもないという経営者はそれほど多くありません。実際、債権回収の問題は言葉や感覚の行き違いによって起こることがほとんどです。

たとえば、機械の取引の場合に、納めた側は十分動くものを納めたので、取引を果たしたと思っていても、顧客の側が、実はそれ以上の性能を求めていたという場合です。商品を納めたから代金が欲しいという主張と、言ったとおりのものが納められていないという主張がぶつかってしまいます。

また別のケースもあります。内装工事で壁を白く塗ったとします。業者としては、言われた通り白く塗ったから代金が欲しいところですが、「白は、もっと別の白のことを言っていた」と主張されてしまい、たちまち債権回収の問題に発展してしまうのです。

ご紹介した2つのケースは、どちらが悪いという話ではなく、納品物の定義の行き違いによって起こってしまった問題です。
このような行き違いを事前に防ぐために、契約書が存在します。

契約書がない場合に債権を回収することは難しい?

もちろんあるに越したことはありませんが、契約書がないからといって、取引もなかったことにするというような無茶苦茶はできません。納品書など支払う側のハンコが入った書類や、メールのやり取りでも十分な証拠になり得ます。要注意なのは、請求書だけでは証拠としては不十分なことです。なぜなら請求書は、「この金額でお願いします」ということを相手に伝える書類にすぎないからです。

最後に

何気なく使っている言葉の意味は、人それぞれで自然と違ってきてしまいます。「言った・言わない」の水かけ論になってしまうと、手間がかかる以上に、相手との関係が壊れてしまいます。債権回収問題を防ぐ意味でも、契約書はできるだけ事前に交わすようにしておきたいものです。債権回収についてお悩みでしたら、波戸岡にお気軽にご相談頂ければと思います。

 

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弁護士 波戸岡光太
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