真のプロフェッショナル

弁護士の仕事

私が弁護士という職業を通じて実現したいことは何か。
それは、依頼者への貢献を通じて、社会に貢献することです。
究極の目的は社会貢献にあり、法律や職業は手段でしかありません。
法律や弁護士は、ツールなりフレームワークに過ぎず、(有効ではあるけれど)それが万能であるはずはありません。
だとすれば、自分は依頼者のためにどんなお役立ちができるか。
法律のほかにも経営学、心理学、コーチング、リベラルアーツ……学ぶことは多く、楽しいです。
学ぶたび実践するたび、新たな気づきと成長があり、依頼者に新たな価値の提供ができるようになります。
依頼者に喜ばれ、自分が成長し、さらによい価値を提供するという正のスパイラルが生まれます。

そんな折、素晴らしい一冊に出会いました。
『選ばれるプロフェッショナル-クライアントが本当に求めていること』です。
(原題:Clients for Life-Evolving from an expert for hire to an extraordinary adviser)

-プロフェッショナルには、自身の専門領域よりも優先される重要な仕事があるのだ。
「真にクライアントのためになることをする」
これが何よりも優先される。
本当にクライアントのためになることを考え、アドバイスし、実行に移す。
その文脈の中で、自身の専門性「も」発揮する。(翻訳者まえがき)

-多くのプロフェッショナルは、答えを出すことにとらわれ、自分は「専門家」だと認識し、優れた分析をし、専門特化することに励んでいる。
それに対してクライアントは、プロフェッショナルが適切な質問をし、深いだけでなく幅広い知識を提供し、分析のみならず大局的な考え方を示し、一方的に話すだけでなくこちらの話にも耳を傾けてくれることを望んでいる。(第1章)

-クライアントとの関係にブレークスルーをもたらすには、7つの重要な特質が必要である。①無私と自立、②共感力、③ディープ・ジェネラリスト、④統合力、⑤判断力、⑥信念、⑦誠実さである。(第2章~第8章)

資格を用いて仕事をしていると、「弁護士とは」とか「士業の役目は」などと、自分で自分に枠をはめた発想になってしまいがちです。もちろんそれ自体が間違っているわけではなく、専門家とはそういう一面もあるでしょう。けれど、何のためにその資格があり、誰のために自分の力を役立たせるのかを考えると、何も「自分の分野はここ」と決める必要もないわけです。
そんなことより、依頼者が本当に望んでいることは何か、依頼者が本当に必要としていることは何かを考え、それに役立つ自分の資源は何か、提供できる視点は何かを模索し、増やし、実践し、依頼者に気づきと成果をもたらすことの方が大事です。
そんなことを考え、こつこつ実践しているときに、先の本に出会いました。
真のプロフェッショナルという深遠な境地に達するにはまだまだ未熟ではありますが、あるべき姿への道しるべを示してくれた一冊でした(^^)

『選ばれるプロフェッショナル』

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弁護士 波戸岡光太
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