支払意欲をもたらす、いろんなブンカツ(債権回収のコツ)

債権回収

取引先が代金を払わない。
相手と連絡はとれるけど、ぐずぐずいってなかなか支払わない。
お金がないとか、今度仕事が入るからその時払うとか、月々の分割で勘弁してとか、よくもいろんな言い訳を言ってくるものだ。。。
何とかしてこの債権回収を無事に成功させたいが、どこまで相手の話に付き合えばいいのか、それともつっぱねて構わないのか。。。

債権回収で相手が代金を払わない理由には、①支払う気持ちがないことと、②支払うお金がないことの2つが主にあげられます。
回収すべきお金は当然ながら自分ではなく相手が持ってますから、相手に代金を払ってもらうためには、何より①相手に支払う気持ちになってもらうことが大切です。
もちろん、相手の気持ちに関係なく回収する方法として強制執行という手もありますが、
相手の財産がどこにあるのか、いくらあるのか分からないことの方が多いので、まずは①相手の支払意欲を起こさせることに注力したいです。

分割払いのやり方を工夫する

そのための方法の一つに「分割払いのやり方」を工夫することがあげられます。
債権回収では一括払いか分割払いかで悩むことは多いですが、分割払いにもいろんなパターンがあります。

まず整理してみると、分割払いには長所短所があります。
〈債権者〉(自社)
・メリット:実現可能性の高い金額での回収が期待できる。
・デメリット:完済するまで、相手を信用し続けなければならない。
〈債務者〉(相手)
・メリット:今後のやりくりでまかなえる。
・デメリット:すぐには負担から解放されない。

こうした長所短所をうまく組み合わせると、債権回収ではいくつかのパターンがでてきます。
例えば300万円の代金を相手が払わず、分割にしてほしいと言ってきた場合。

パターン1:100万円×3回〔厚く×短く作戦〕
・自社にとっては短期間で回収できて、相手も短期間で負担から解放されるメリットがあります。
・けれど、相手によっては、やりくりが大変な場合もあろうし、自社としても、無理な金額を要求した結果、相手に逃げられても困ります。

パターン2:10万円×30回〔薄く×長く作戦〕
・相手にとっては月々の負担は楽だし、自社としても一定の信用は与えてもよさそうです。相手には銀行の定期送金サービスを利用させるなどして、送金の負担感を与えない工夫もありです。
・けれど双方ともに、いかにも長いというデメリットは否めません。

パターン3:初回100万。2回目から20万円×10回。〔最初は多めに作戦〕
・まずは今用意できるお金で相手に頑張ってもらい、次回からは月々の収入で頑張ってもらうというやり方です。
・相手が今できる最大限の努力を示すことで、自社も一定の信用を与えられますし、相手としてもその分支払期間が短くなり、毎月の負担も軽くなるというメリットがあります。

パターン4:20万円×12回。240万円まで払ったら、残り60万円は免除。ただし途中で挫折したら300万円まで払う。〔ニンジンぶらさげ作戦〕
・相手に毎月頑張り続けてもらうモチベーションづくりとして、8割方払ったら残りは免除してあげるというもの。
・自社にとっては、相手がそっぽをむいて0円になってしまうよりかは、一部免除というニンジンをぶら下げることで実をとるという判断です。

こんなふうに、債権回収において多くの方は「一括払いか分割払いか」で迷うことが多いですけれど、実は二者択一ではなく、分割払いにもいろんなパターンがあります。
なので、どのパターンが相手の支払意欲を高めることができ、現実の回収可能性が高くなるか、複数の選択肢を持っていただければと思い、お話いたしました(^^)

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私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。

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波戸岡 光太 (はとおか こうた)
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