I am a パーフェクト・ジョウコウ(契約書でみかける完全合意条項)

契約書

どんな取引でも、互いの約束をしっかり形に残しておくために契約書は大切です。
債権回収はじめ、トラブルになったときは契約書がよりどころになります。
また、契約書のほかにも、それまでの覚書やメール、議事録なども、そこに約束や合意が形として残っていれば、契約の内容となり、守るべき約束になります。

ですので、契約書が多少ゆるい内容であったとしても、そういう合意を見つけだせる資料で補充できれば、何とか相手に約束を守らせることができます。また、そういう発掘作業において力を発揮するのが弁護士だったりします。

ところが…
「おれさまは パーフェクト・ゴウイ・ジョウコウだ!」と宣言する、「完全合意条項」というのが契約書に盛り込まれることがあります。

れがあると、その契約書に書いてあることがすべてになります。それまでに作られた覚書やメールや議事録、口約束なんかはもう関係ないですよ、という定めになります。

もともとは英文契約書で必ずと言っていいほど盛り込まれる条項で、そういう分野を扱っている人からすればお馴染みの条項です。
最終契約書にいたるまで何度も合意書が積み重なるときなどは、どれが正式のものか錯綜してはいけないので、それを避けるために「これまでの契約書はもう関係ないからね。この契約書がす・べ・て」とするために設けられています。

他方、日本では契約書をそこまでいくつも作っていくケースが少ないので、完全合意条項を入れる必要性は低く、むしろ契約書にない事柄は、そのほかの事情や資料から拾ってくることの方が多かったりします。

ところが最近では、英文契約書を扱う企業が増えてきた影響もあるのでしょう、国内取引の契約書でも完全合意条項を見かけることが多くなりました。

「第◎条(完全合意) 本契約書は、本契約に関する当事者間の完全かつ唯一の合意であり、本契約締結以前に当事者が口頭又は書面で行った全ての約束、表示、保証に優先する」といった具合です。

一見何の変哲もない決まり文句みたいな条項なので、スルーしてハンコ押してしまいそうですが、そうすると先ほどのように、この契約書以外の資料や口約束は使えなくなりますので、ぜひとも気を付けたいところです(外して合意するか。リスクを分かったうえで合意するか)。
というわけで「完全合意条項」にちょっと一目置いて頂きたく、お話いたしました。

あ、ちなみに、パーフェクト・ゴウイ・ジョウコウと言ってるのは、ここだけ私だけでして、 正しい英語は「Entire Agreement Clause(エンタイアー・アグリーメント・クローズ)」です(←分かってますよとアピール中)。
“I am a パーフェクトなんとか”っていう歌ががはやってたので。。。(^^)

弁護士 波戸岡光太
その思い、前に進める法律家。
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