契約書はない!でもこのメール使える?(債権回収と証拠)

債権回収

取引相手が代金を支払わない。なんとか債権回収したいものだ。
しかし、、、契約書つくってなかった!
うむむ、、、悪いのは相手だというのに、これだと戦えないのだろうか。。。
契約書ってそんなに大事なのか。。。

たしかに契約書がないとつらいことが多いです。
運よく相手がこちらの言い分を「その通りです」と認めてくれれば、それを前提に交渉を進めることができます。
けれど「そんな契約知らない」と言われてしまうと、
「約束したじゃないか」
「そんなことありません」
「何言ってんだ。あのときOKって言ってたじゃないか」
「そうでしたっけ」と言い合いや水掛け論になってしまいます。
「だったら、でるとこでようじゃないか。真実はひとつ!」と息巻いて債権回収に着手したところで、その真実を知るすべはありません(ドラマの再現VTRじゃないので)。

それに対して、双方サインのある契約書があれば、互いが契約書に書いてある内容を理解して認めたという事実が残されているので、後になって「そうじゃない」とは言いにくいです。
そういう意味で、契約書は証拠の王様ともいえそうです。

では、、、債権回収では、契約書がないと何もできないのでしょうか。

「苦しいけれど、希望はある」というのが、私の考えです。

法律上は、お互いの意思(申込と承諾)さえ一致すれば契約の成立が認められており、契約書の作成が必須だとは定められていません(一部の契約を除く)。
あたかも隣り合うパズルのピースがぴたっとはまると、それだけで2人は離れられなくなる(契約に拘束される)のと似ています。
契約書は一つの紙に双方がサインして合意したものだから、まさにぴたっとはまったパズルピースそのものを表しています。

けれど、契約書でなくとも、メールや会話録音、その後の双方の言動などから、「これは契約が成立しているでしょう(=互いの意思が合致しているでしょう)」という事実が浮かび上がれば、それによって契約の成立を認めることも十分に可能です。
浮かび上がらせるためにいろんな事実や証拠を集めなければならないので「苦しい」。
けれど、あきらめずに前進できる可能性もあるので「希望はある」というわけです。

たとえばこんなケース。
ご相談者Aさんは、かつて生活費に困ったという友人Bにお金を貸していましたが、いつになっても返す気配がない。だんだん不安になってきたAさんが、心を決めてバシッと返済を求めたら、なんとBは「そうでしたっけ」ととぼける始末。でも契約書なんて作っていない。さてさてどうしたものか。
私は何かしら当時のやりとりが残っている手がかりがないかとAさんに探してもらいました。
すると当時のメールがでてきて、Bは「300万円たしかに。きっと返します!」とメッセージを残しているではないですか。
実際、この日に、AさんからBに銀行振込したことも通帳から分かり、Bはそれ以上の言い逃れができなくなりました。

これは比較的さくっと進んだケースですが、こんなふうに債権回収では契約書がないと大変。でも手がかりを積み上げていくことで希望は見える、そのためにパワーを発揮するのが「弁護士の魅力」というお話でした(^^)

※ケースは実際の事案をもとに、再構成しています。

弁護士 波戸岡光太
その思い、前に進める法律家。
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債権回収の道しるべ